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2016 Vol.5 – MEMS Technology Commercialization

産学連携による、研究開発から商用化・事業化への加速

MEF 2016実行委員会 副委員長 / SPPテクノロジーズ株式会社                                            エグゼキュティブシニアアドバイザー 神永 晉

 MEMS Engineer Forum 2016の開催が目前に迫って参りました。MEMSに関する技術者・研究者が一堂に会して、MEMSが将来どのように社会に貢献できるのか、そのために何をすべきか議論しようと2009年にスタートして以来、今年は第8回となります。MEMSに関する議論の場を提供し、具体的なアクションを起こすプラットフォームとして、各界から高い評価を受け、特にここ数年は、集まった講演者、聴講者、出展者の間で、熱い議論が交わされる場となりました。海外からの参加者の間でも、大きな関心を呼んでおります。

 

  IoT (Internet of Things:モノのインターネット) 世界に向けた大きな動きが、欧米を中心に急速に進展する中で、それを可能にしたと言っても過言ではないMEMSの役割が益々重要になっております。IoT世界の中で、ドイツの推進するインダストリー4.0や、米国に見られるインダストリアル・インターネットのように、製造業をベースにした動きが急速に進展する一方で、MEMSで成功した重鎮が中心となって推進する、トリリオン・センサ・イニシアティブは、全ての人が、飢えの解消、医療・ヘルスケア、安全な環境とクリーンエネルギを享受できるために、地球規模の課題が解決される世界は、センサネットワークによってもたらされる、とする大きな動きとなっています。MEMSが中心的な役割を果たすことは間違いありません。

 

 過去20~30年におけるMEMSの著しい発展により、センサをはじめとする微小なデバイスに多くの機能を持たせることが可能になりました。そのセンサをネットワークに接続することによって多くの価値ある情報が得られ、その情報に基づく仕組みを構築することによって、社会への実装が可能になり、新たなビジネスチャンスが生まれます。トリリオン・センサ社会実現に向けての動きが示唆するものは、単なるセンサ開発ではなく、センサによって得られる情報を実社会に活用するためのシステム構築とビジネスモデルの創出にあります。新しく生まれるニーズと、必要な情報を得るためのセンサ開発が密接に結び付き、その結果として生み出される価値が、さらなるMEMS・センサの開発に寄与する仕組みを確立することが大きな推進力となります。

 

 MEMS Engineer Forum 2016では、初日に、国内外の講演者によるMEMSとIoTの概観、ジャイロ・圧電体材料・超低消費電力デバイス・3次元積層デバイス・光MEMS等の要素技術、車載・ロボット・医療応用、国内外のエコシステム、等の講演が行われます。MEMS Engineer Forum(MEF)と提携関係にある米国のMEMS & Sensors Industry Group (MSIG) の講演では、海外におけるMEMSとセンサに関する最新状況を知ることができます。

2日目の午前中には、IoT世界における実施例、セキュリティー等の課題、トリリオン・センサの現状等について、トリリオン・センサ・サミット参加者も含めて、種々の角度からの講演が予定されています。午後には、注目すべき最新技術の講演が続いた後、海外の主要研究機関における興味深い最新情報を聴くことが出来ます。

 

 2日間の講演と議論を受けて最後を飾るパネル・ディスカッションは、ここ数年大きな反響を呼んでいます。2013年には、センサを軸にした組織活動が必要であろうとの議論がなされ、その後、具体的な動きが見られます。2014年には、シリコンバレーで、長年にわたって自然発生的に出現する、活発な起業活動モデルが議論される一方で、米国内でもシリコンバレーは特殊な例であり、他の地域では、事業化が容易にできているわけではなく、地域ごとの努力を必要としていること、また、欧州では、産学官連携の意図的な試みによって新しい技術の事業化がなされていること、が話題になりました。日本もシリコンバレーを目指すことのみ考えるのでなく、欧州に近い方法が現実的である印象が得られた議論ではありましたが、日本の状況は、米国、欧州に比べて大きく遅れていることが、歴然としていました。昨2015年は、産学連携を進める上での問題点が日本側から提起されましたが、米国西海岸で起業に成功したベンチャー企業から、彼らにとって産学連携は必須のもので、それなしには起業などできない、主要大学の設備を使用し、教授の協力を受けるからこそ成功するのであり、産学連携は当然のことで、問題点など議論の対象にならない、とのコメントがありました。欧州の大企業からも、産学連携は当然のことで、日本でそれが問題点として議論の対象となっていることは驚きだ、との素朴な疑問が提示されました。

 本年のパネル・ディスカッションでは、~Technology Commercialization~について、~ベンチャーの人材育成と産学連携~の観点から議論することを予定しています。北米、欧州、アジア、日本の4つの主要地域からの講演者を中心とした議論により、産学連携を通じて、技術の研究開発から商用化・事業化へ進めるためには、どのような人材が必要か、特にベンチャー精神を持って起業を実践できる人材の育成はどのようにして可能か、を議題の中心として、各地域の例をベースにした議論の展開が期待されます。2日間の長丁場ながら、最後まで目を離すことが出来ないフォーラムとなることを確信しています。パネル・ディスカッションまで、多くの皆さんが参加されることを期待します。

 

 

 

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