●MEMSの世界で成功した多くの人たちが展開する熱い議論の場:MEMS Engineer Forum
2009年にスタートし、本年10周年を迎えるMEMS Engineer Forumの開催が目前に迫りました。MEMSに関心を持つ研究者、技術者が誰でも参加できるように参加費無料として企画され、国の内外から馳せ参じる、MEMSの世界で成功した多くの人たちの興味深い講演を聴くとともに、熱い議論が繰り広げられるフォーラムとなりました。ここ数年、参加者が急増し、豊富な講師陣のレベルの高さと併せて、MEMS分野で質量ともに世界最大のフォーラムのひとつとの評価を受け、参加者にとって、多くの情報と興奮を共有する場となっています。
特に、昨今、注目を浴びているIoT (Internet of Things) の急速な発展の推進力としてのMEMSが、今後益々重要な役割を果たすことが期待されています。この数10年の間に、多くのMEMS関連技術が開発され、実用に供されて来ました。また、今後さらに広範なニーズに応える新しい技術も開発されて行くことは間違いありません。ここで重要な点は、そのような技術が、社会の要請に応えて人々の幸せな生活の実現に貢献するためには、社会への実装を目的とするシステムを構築し、新しいビジネスモデルを作り上げることにあります。部品や要素技術に優れると言われる日本が、そこに満足してとどまることなく、その強みをベースとしたシステムを構築し、世に役立つビジネスモデルを創出して、新しい価値を生み出すことが求められています。
昨年来、IoTの世界で多くの実施例が見られるようになりましたが、それは、その要となるセンサが、MEMSによって超小型で高機能のものが開発されたおかげと言えます。情報を得るために不可欠な新しいセンサの開発を加速することで、必要とされる半導体、パッケージング、システムの開発が進み、新しいアプリケーション、さらには新たなビジネスモデルが創出され、新しい価値が生み出されます。
●センサの新技術開発だけでなく 社会実装のための必要な仕組み作りを議論
一方、単なる新しいセンサの開発ではなく、センサによって得られる情報を活用するためのシステムを構築し、新しいビジネスモデルを創出することが重要になります。センサによって得られる情報の価値を軸として、センサメーカー、システム構築者、ユーザーの協業の場を構築することによって、社会を大きく変えて行くことができます。高齢社会、医療・ヘルスケア、老朽インフラ、食料生産、環境保全、防災・減災、クリーンエネルギ等の地球規模課題を解決し、未来に向けて、人々が安全で安心な生活を享受することを可能とするために、技術が貢献できる道が大きく広がって行きます。そのためには、産学官連携、大企業と中小企業・ベンチャー企業の連携、企業間の連携、さらには、国境を越えた連携、等々、あらゆる形態の協業によって、壁を除去し、タテ割りを排除することが、重要な鍵を握ることになります。
本フォーラムでは、革新的技術の動向を知るとともに、社会への実装のために必要な技術、仕組み等についての議論も期待されています。そのために、参加者ひとりひとりがどのように社会へ貢献できるか、さらにどのような人財が求められるか考える場となろうかと思います。2日目最後に予定されている、恒例のパネル・ディスカッションでは、MEMSの過去10年を振り返るとともに、今後の10年をどのように見るか、そして、MEMSによってもたらされるイノベーションが、新しい社会の構築にどのように貢献できるかについて議論が展開されることでしょう。参加者の皆さんとともに、MEMSの益々の発展を担うことを目指して、未来に向かう道筋を見つけていきたいと思います。
MEF 2018 Program schedule is available here.
MEF 2018プログラムはこちらで参照頂けます。
Info about ”MEF2018 Exhibition Features” is here.
MEF2018では、技術展示会を併設します。出展者情報はこちら